第15回「ビジネスモデルが崩壊するとどうなるの?」

山口さんに聞いた「お金」と「働く」こと

『山口さんに聞いた「お金」と「働く」こと』では、「働く」ことや「ビジネス」についてはじめて考えたはじめたGilrsUniversityの学生たちがもった素朴な疑問を、ビジネスのプロの山口豪志さんが答えます。

「仕事・働く」ということをもっと身近に感じられるような素敵なお話ばかり。

これを読んで、社会に出る前に知っておくべきことに関心を持っていただけたら幸いです。

第15回「ビジネスモデルが崩壊するとどうなるの?」

 企業が売上や利益を生み出す仕組みのことをビジネスモデルと言います。これがなかったら、事業を行うことはできません。もしもその仕組みが崩壊してうまく回らなくなってしまったら、一体どうなってしまうのでしょうか?

ビジネスモデルが崩壊したら

 簡単に言えばその企業は潰れてしまいます。

 例えばAが書いた文章を、Bが契約して500円で買っているとする。さらにそれをBは出版社に5000円で売っていて、9割の利益を得ています。

 しかし出版社がそれを買うのをやめたら、売り先がなくなってしまいます。売り先がなくなれば、AがBに文章を売るのもやめてしまい、仕入れ商品もなくなってしまいます。そうなると商売ができなくなってしまいますね。

 これがビジネスモデルの崩壊です。

ビジネスモデルの立て直し

 残念ながら、基本的に一度崩壊したビジネスモデルの立て直しは難しいです。でも、立て直した会社も少数存在します。そのうちの一つが富士フイルムです。

 富士フィルムはデジタルカメラの普及でフィルムを使う機会が非常に少なくなってしまったことで、ビジネスモデルが一度崩壊します。

 しかし、フィルムの仕組みである“浸透圧”をなんと化粧品の技術として応用したのです。ほかにも医薬品も含むメディカル・ライフサイエンス事業、ドキュメント事業など6分野を新たな成長の軸として据えたそうです。

 こうした大改革により、ビジネスモデルを立て直すことに成功しました。

  富士フイルムホールディングス会長・CEOの古森重隆さんは、新規事業を見極める際にしたことを次のように語っています。

(東洋経済ONLINE「富士フイルムはなぜ、大改革に成功したのか」2013/11/24)

 これがビジネスモデルの立て直しを可能にしたのです。山口さんも以前、「自分たちの強みを分かっている会社が強い」と仰っていましたが、本当にその通りでした。

今回の1問1答!

事業家の山口さんと女子大生のGUメンバーが一問一答形式で「働く」ことに関する疑問を解決!

■”オープン価格”とはどうして自由に価格設定できるのですか?
■営業職って、高い対人能力が必要なイメージがあるのですが実際どうなのでしょうか?
■“働き方改革”は労働者にとって良い効果をもたらしているのでしょうか?

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■”オープン価格”とはどうして自由に価格設定できるのですか?

 小売店が自由にメーカーの価格設定をできるようになれば、自由な商売が可能になります。

 例えば、家電は他の店舗との競合が激しく値段が下がりやすいです。ほかより高いと買ってもらえなくなってしまいます。オープン価格ならば、そういった競合が自由にできるようになります。

 また値下げして販売することを、プロモーション的に使って、ポイントカードに登録する人を増やしたりと、別の目的に使ったりもします。

 反対に、本は二次流通性があるのでオープン価格ではなく、どこでも値段は変えずに売られています。

■営業職って、高い対人能力が必要なイメージがあるのですが実際どうなのでしょうか? 

 営業職は、対人能力は必要です。程度としては、人とかかわるのが苦じゃない程度で良いと思います。よほど人とかかわることが難しい人でなければ多くの人は営業職になることは可能です。

 夕食の席で、おすすめの逸品があったときに、人にそれを勧めることができる程度に会話ができるならば、営業職になるのに十分な素質があると思います。

■“働き方改革”は労働者にとって良い効果をもたらしているのでしょうか?

 働き方改革は、有名無実な事象なので何とも言い難いですね。

 労働者と経営者の二軸で言うならば、労働者に有利になるだろうと言うつもりで法案は作られたかもしれませんが、逆に雇用することをより躊躇させることになってしまうように思いますしね。

 緩やかな社会主義の日本では、これからよりルールを縛るようになるとグローバルでやれる会社は日本から出ていくでしょうね。

ああ

アンドウのホンネ(編集後記)

 今回はビジネスモデルの崩壊についてお話していただきました。富士フイルムのことは初耳だったので驚きました。私たちが気づいていないだけで、大きく変革してきた企業があるのですね。富士フイルムの化粧品を調べてみると、学生ではなかなか手が出せないくらいの高級化粧品で、口コミの評価がかなり良かったです。しかもCMで見た記憶がある商品だったので、認知度は結構高いのかもしれません。フイルム事業がメインの会社だったのが、今や高級な化粧品を販売、そして多くの人が購入しているというのは本当にすごいことだと思います。血のにじむような努力と、これまで築き上げた信頼感が成せる業なのでしょうね。

 今回の更新でしばらくお休みになります><

 次の更新をお待ちください!

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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