海外事業での経験をIT事業に繋げる、石田由惟子さん

こんにちは。Girls Universityの牛島です!
「一歩踏み出したい女子大生と共に、生きるヒントを共有する」をコンセプトに、ここ【シゴトずかん】では社会で活躍されている様々な先輩にキャリアに関して伺ったお話を投稿しています!

今回取材をさせていただいた方は、エン・デザイン 制作部の石田由惟子さんです。
石田さんはアメリカの大学を卒業され、その後アフリカでボランティアの経験をされるなど、非常に興味深いバックグラウンドをお持ちの方でした。

「海外に関わる仕事をしたい」「国際支援に興味がある」そんな女子大生は多いのでないでしょうか?
そんな方の心に刺さる話やアドバイスをたくさんしていただきました。

―現在のお仕事について教えてください。

WEBマーケティング分析やデザインを駆使して事業の課題を解決するコンサルティング会社 エン・デザインにてWEBサイトの制作やフロントを担当しています。
単純にWEBサイトを制作しているのではなく、今後WEBマーケティングをしやすいように設計されたテンプレート、いわゆるシステム【ルーサム】を作り、それを拡散していく取り組みをしています。より多くのお客様に知ってもらい、そのシステムを使っていただくための仕事を担当しています。
ベンチャー企業なので、従業員は数名しかません。事業部が3〜4個あり、一人で数部署を掛け持ちしていいます。

「社会を変えたい」と思って踏み込んだ世界

ー以前にも似たお仕事を経験されていたのですか?

似たような仕事は、全くしていません。28歳までは、海外と日本を拠点とした貿易事業をしていました。反対に、デジタルに全く関係のないアナログ人間でした。

「社会を変えたい」と思って踏み込んだ世界だったのですが、物を動かす貿易事業でいざ自分で何かしようとなると、リスクや資金が非常にかかります。しかし、FacebookやInstagramをはじめとしたSNSは、どんな途上国の人たちでも使っています。それを目にした際に、「デジタルの影響力はすごい」と気付かされ、思い切って貿易事業からデジタル事業に足を踏み込みました。

ーどのような学生時代を過ごされたのですか?

高校生の時に1年間留学をし、その後海外への強い意識を持ち始めました。「将来海外に携わる仕事をしたいな」という思いから、海外ベースの勉強ができるアメリカの大学へ留学を決意しました。「国際支援」や「国際連合」に憧れを抱き、色々な文化や世の中の仕組みを学べる社会学部を専攻しました。

当時は、勉強に励む4年間でしたね。社会学部の部活動なんかにも取り組み、学部の優秀賞(モストスタンダートスチューデント)を獲得しました。アジア人があまりいない州だったので、アジア人でもできるんだぞという姿を見せられたと思います。


(左:石田さん)

ー海外でされていたボランティアについて教えてください。

大学を卒業した後も、アメリカに滞在をしていました。大学院に行きたいなと考えていたので、就職活動はせず、日本の旅行代理店でインターンシップをしながら勉強をする日々を送っていました。ですが、ある日仲良くしていた友人からこんなことを言われたんです。

「国際支援をしたいという目標を持って渡米してきたのに、
インターンに時間を取られているし、本気で大学院に行く気はあるの?
それとも国連に入ったらやりたいことはできるの?」

当時、就職するのか、国連に入るのか、大学院に入るのか、なんとなく毎日を過ごしていたのですが、その言葉で気づかされました。「まずは、現地をこの目で見てみないと!」と思い、その日のうちにアフリカでのボランティアに申し込みました。2週間後にアメリカをたってましたね。
ボランティアの内容は、200人くらい生徒がいる中高一貫の学校で英語や社会、パソコンの教科を教えていました。現地の国のことを知りたかったので、幼い子供ではなく会話のできる人たちと触れ合いたかったことが、教師ボランティアを選んだ理由です。

ー海外貿易事業ではどのようなことをされていたのですか?

ボランティアを1年間ほどした後、貿易に関する個人事業をしていました。また、アフリカ(ウガンダ)の方達と一緒に貿易会社を立ち上げ、合計3年半ほどアフリカで車を販売していました。帰国後は、日本の貿易会社に2年間ほど勤めました。それが、私にとって初めて勤める日本企業です。初めは、お茶をくんだりお酒をついだり、名刺を渡したりとそんな単純なことに戸惑いました。
18歳から日本のどこかに所属をすることがなかったので、カルチャーショックはだいぶありましたね。ですが、受け入れるべきいいところはどんどん吸収し、自分らしくいる姿勢はきちんと大切にしていました。例えば意見が違うなと思ったら、上司の顔色をうかがうことなくはっきり言っていたと思います(笑)
日本の貿易会社では、海外での新規事業など何か新しいものを立ち上げる際に前線で引っ張って会社の課題解決に努めてきたと思います。

いいところはどんどん吸収して、譲れない部分はきちんと伝える

ー海外での経験が現在のお仕事にどのように影響されていますか?

今の世の中は、日本でのマーケットだけを考えていたらいけません。起業や事業を立ち上げる瞬間から海外を意識していかないと3〜5年で廃れていってしまうと思います。ですが、企業側も「急に海外に展開していこう」と言ってもすぐできるわけではないのです。その点に関して、今までの10年間の海外経験のおかげで自然に海外を視野にいれたマーケティングを考えられます。日本、海外それぞれでいかに展開していくかを無理なく自然に考えられることが、今の仕事に良い影響を与えています。また、今まで築いてきたネットワークもあるので、海外の友人にすぐ話を聞くことができます。
来月あたりから実際に海外でテストマーケティングをする予定です。【ルーサム】を日本だけでなく海外にもどんどん広めていきたいです。

ITは、たくさんの人にスピーディーかつ大きな影響を与えられる

ー現在のITベンチャー企業でのやりがいを教えてください。

インターネットを使うので、「すぐに海外でも展開できそう」という事例がたくさんあります。一個きちんとした仕組みができれば、たくさんの企業や人にスピーディーに商品を届けることができます。現在、アフリカでもAirbnbやUberが広がってきていますが、私が滞在していた頃には考えられない出来事です。その反面、貿易は1を10にして、10を100にして、という流れです。デジタル業界では、小さい会社でもたくさんの人に影響が与えられるとうことが見え隠れしながらの作業なので、楽しいです。

ー前職と現職は一見関連性のないように見えるのですが。

物流とITでやっていることは一見全く違いますが、やっていることの軸は同じです。環境が整っていないところで生活をしている人たちが、自分たちの持っているリソースを持つことによって生活の水準が上がることは両方とも同じなのです。最初はその手段が貿易事業であり、車を手に入れた人たちは、今まで行けなかった色々な場所に行くことができました。ただ、そこの世界で私が出来ることの限界が見え、デジタルの世界で社会を変えていこうということです。

知らないことを知るためには、自分の行動範囲より外に出る

ー今の学生にお伝えしたいことはなんですか?

自分が知らない世界を見れるための1つのツールとして、英語は勉強しておいた方がいいです。
よく「私は、やりたいことがわからない」という声を耳にしますが、現在の自分の行動範囲内ではそう簡単に見つかるものではありません。海外に行くことが決して1つの答えではありませんが、普通の生活ではありえない環境に身を置くことで新しい発見が必ずあります。山登りでもいいし、とてもきつい仕事をやるでもいいし、やってみたいことや少しでも興味のあることは妥協せずにどんどん取り組んでいって欲しいです。

新しいことや難しいことに挑戦をすると、不安や葛藤に立ち向かいますが、そのなかで心が揺さぶられないと、「私ってこれが好きなんだ」「私はこれ嫌い」「こんなこと私には無理だな」とがわかってきます。揺さぶられている期間はもちろん辛いですが、見えるものが増えていき、自分自身の発見につながっていくのです。特に女性は、出産のタイミングを考るといったタイムリミットがどうしても着いてくるので、学生のうちにやりたいことはやり、時間を有効的に使っていくことをお勧めします。

あとがき

海外での経験や異なる業界への転職など、たくさんのことに挑戦をされてきた石田さん。お話を伺っている際にも「これやりたい」「あれを絶対にやろう」と考えてしまうほど、行動力のパワーを分けていただきました。
「パッと思ったらパッとやる」を強みに毎日を過ごされている石田さんのお話は、将来に関する様々な夢を思い描く大学生にとって、大変刺激のあるものでした。

石田さん、貴重なお話とお時間をありがとうございました。

(左:石田さん 右:牛島)

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