第4回テーマ「マーケティングってなんだろう?」

山口さんに聞いた「お金」と「働く」こと

『山口さんに聞いた「お金」と「働く」こと』では、「働く」ことや「ビジネス」についてはじめて考えたはじめたGilrsUniversityの学生たちがもった素朴な疑問を、ビジネスのプロの山口豪志さんが答えます。

「仕事・働く」ということをもっと身近に感じれるような素敵なお話ばかり。

これを読んで、社会に出る前に知っておくべきことに関心を持っていただけたら幸いです。

第4回テーマ
「マーケティングって何?」

今回のテーマは、「マーケティング」です。記事を書いている私は、商学部に在籍しているので「将来メーカーのマーケッターになりたい!」という友達も多くいます。大学内でも、マーケティングのゼミや授業は、毎年人気な印象です!

最近では、「インフルエンサーマーケティング」「SNSマーケティング」という言葉もよく耳にします。では、そもそもマーケティングとは何を意味する用語なのでしょうか。「とりあえず横文字言っとけばかっこいい」的なワードで使われてはいないでしょうか?

今回は、正体がわかっているようでよくわかっていない「マーケティング」についてビジネスのプロ山口豪志さんにお聞きしました!

 

なぜ「マーケティング」という言葉が生まれたか?

 企業の売り上げをアップするためには、その企業のセールスマン(=外交販売する人)の存在が重要です。それを見据えて優秀な社員を採用するためには、「セールスマン」という言葉では「ご用聞き」のような良くない印象を与えてしまう、という問題点がありました。そこで、言葉の表現を再定義して見せ方を変えようということから、「マーケティング(市場をつくる)」をする人=「マーケッター(市場をつくる人)」という職種が生まれたのです。つまり、採用の為に言葉を市場に合わせて変更した(=マーケティング)をしたわけですね。

 なお、「マーケティング」を日本語で訳すると「市場適応活動」となります。(早稲田大学の教授談)


「市場適応活動」に必要な要素は何か?

 ある街に電気屋Aがあるとしましょう。

 その街に電気屋がA店のみしか存在しなければ、A店は販促を特にせずとも、商品は売れるでしょう。しかし、同じものを売る同業他社があったら、ブランド要素を加味した商品を販売したり、広告宣伝も必要になりますね。その為、市場適応活動=マーケティングが必要になります。

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 変化が多い活発な市場においては、商材や販路・販促を臨機応変に変えていけなければ、企業存続が難しくなります。その為、今の市場環境ではマーケティングの要素が必要不可欠なのです。

 販売のみであれば、たくさんの数量が売れたら目的は達成できますね。しかし、売上のみが積み上がるだけでは、企業の永続性に重要であるイメージの向上、ブランド醸成に関しては寄与しません。

 そこで、単に売り上げの数字を大きくすることだけではなく、市場において“どうポジショニングをつくって売り上げて行くのか?”を考える活動が必要になるのです。このような市場適応活動の具体な手法として「4P*」や「4C*」等の分析手段が登場しました。

*4P=Product/ Price/ Place/ Promotion
*4C=Customer Value/ Cost/ Convenience/ Communication 

このように、マーケティング(=Market+ing)には、市場に 変化・対応しよう、という意味が含まれます。元々は、先述したようにリクルーティングのために生み出された言葉がマーケティングでしたが、今日では細分化、学問体系に発展・進化していったのです。

 

【補足】マーケッターは、給料が高い?
 営業マンやセールスマンは、フロントでクライアントの対応する役割です。
でも、マーケッターは商売の司令官、将校のような存在です。ですので、責任も重く給料も高い職種になりますね。

 

今週の1問1答!

事業家の山口さんと女子大生のGUメンバーが一問一答形式で「働く」ことに関する疑問を解決!

■貯蓄のコツを教えてください!
 江戸時代の農政家である二宮尊徳が唱えた貯蓄の考えをご紹介します。

 元々、江戸時代の人々の間には「宵越しの金はもたない」という気前が良いような雰囲気があり、“貯蓄“という概念自体がありませんでした。そのため、度々起こる食料の不作による飢饉がおこった際に、食料供給が十分になされず人の命が奪われてしまう事態が定期的に発生していました。そこで、二宮は1年で生産した米を72分割し、60か月分を5年に分けて消費、残り12か月分は貯蓄するよう提唱しました。このように有事の場合に備えた“価値の保存”の概念を唱え、当時“貯蓄”という考えが浸透していなかった江戸時代の人々に向けて、貯蓄や保険の考え方をアップデートしたのです。

 この考え方を日常生活にも置き換えてみましょう。

 あなたの給料が月30万円だとします。1日1万使えば、1か月ですべてなくなってしまいますね。

 では、10万円貯金、5万円は欲しいものを買うために残す、1日5000円自由に使えるお金とします。こうすることで、コンスタントに月10万円貯金、年120万円貯金することが可能になります。このように、貯蓄のコツは仕組み化し、習慣にすることです。目的に合わせた支出を考えることで、無理無駄なくお金を使うことができるでしょう。

 

■商社は何をする会社?
 商社は、商いの社(やしろ)と書きますね。そもそも、「商い」は「社会の問題解決」を意味する言葉です。つまり、“この街には○○が足りないから補おう”と事業を作り、そこから上がる利潤から収益を得るというものなのです。コングロマリット*な事業形態によって、様々なヒト・情報・モノ・カネを流通させるという「商い」をしています。

 例えば、ローソンやファミリーマートは商社が経営するコンビニエンストアですし、セブンイレブンは系列会社が銀行や物流企業などの事業も展開しています。

*コングロマリット=複合企業。多種の業種・起業を統合してできた巨大企業集団のこと。(コトバンクより引用)

 

オカネのホンネ(編集後記)

 「マーケティング」という言葉は、私にとって「なんとなくカッコ良いからつい使いたくなる」ビジネス用語でした(笑)。今回山口さんに教えていただくまでは、マーケティングは顧客にサービス・商品が届くまでのプロセスで重要な要素である、くらいの認識でした。
 今回の対談を経て、マーケティングが「市場適応活動」という言葉で表されるように、差別化を図り長期的なブランド戦略、継続的なセールス業績の維持ために必要不可欠であることが、よくわかりました。ですから、今後「マーケティング」という言葉を使うときは、4Pにしろ4Cにしろ、顧客にサービス・商品を届けるうえで、目的に適した手段であるか、役割を果たしているかという、細かな点まで考えたいなと思いました!

 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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