『士業』という選択肢ー本多夏帆さん

こんにちは!Girls Universityの岡根歩美です。「一歩踏み出したい女子大生と共に、生きるヒントを共有する」をコンセプトに、ここ【シゴトずかん】では社会で活躍されている様々な先輩にキャリアに関して伺ったお話を投稿しています!
今回は、株式会社Office Breath代表取締役、Breath行政書士事務所代表の本多夏帆さんにお話を伺いました。

―現在のお仕事について教えてください。

行政書士としての業務、株式会社Office Breathの経営、コンサルティング業務をしています。よく社会保険労務士である母とともに動いています。

―1日のタイムスケジュールについて教えてください。

毎日不規則ではありますが、朝は、サラリーマンの夫が家を出てから自分の支度を始めます。10時くらいからアポを入れる日もあれば、事務所に籠って仕事をしている日もあります。仕事を開始する時刻も行く先々もバラバラであるため、一般的な働き方とは言えないかもしれません。

―どのようなことを目的に労務コンサルティングをしていますか。また、その上でこだわっていることや気を付けていることはありますか。

大きく念頭に置いているテーマは、「目の前にいる人が幸せになるようにサポートすること」です。これを達成するために、綿密かつ迅速なコミュニケーションを重視しています。特に、お客様の悩みや不安はなるべく早く解決したいという思いがあるため、レスポンスを出来るだけ早くすることを心掛けています。また、専門分野の課題を解決するためには自分一人で抱え込むのではなく、専門家と連携することが重要になるので、人脈を作ることにもこだわっています。

継続することの大切さ

―女性のキャリアアップのために、個人として大切なことと、企業として大切なことをそれぞれ教えてください。

細長くでもいいから継続することです。私は産後1か月経たない内に仕事に復帰しましたが、少し休んだだけでも仕事へ取り組む感覚は鈍ったなと感じるくらいでした。経営者である以上、自らの頑張り度合いがダイレクトに業績に反映されます。私は業績を右肩上がりにしたいと考えていたので出産直前まで働きましたね。また、出産が原因でお客様を不安にさせないように、出産前と出産後で業務内容を調節するように意識していました。

外から組織をサポートする立場

―今のお仕事と、以前ベンチャー企業で働いていた時とで比べるとどういった点で違いがあると思いますか。

会社の違いとしては、ベンチャーの時は組織の中に属していましたが、現在は外から組織をサポートする立場である、という点が大きな違いです。
それから、以前は社員それぞれ担当する業務が分かれていたのですが、現在はいくつものプロジェクト事業を一人で同時に進めているので、働き方の面でも違いがあります。全て自分でやらないといけないため、色々な業務を並行して進めていく必要があります。
働く姿勢の面では、人脈を作るということを強く意識するようになりました。自分が困った時に頼れる人を増やすため、同業者・専門家の交流会には積極的に参加するようにしています。

―ベンチャー企業でマーケティング担当を経験して学んだことや、それが現在のお仕事に生かされていることはありますか。

ベンチャー企業ではマーケティングを担当していたので他の企業について深く調べたり、PRや広報に関連することを学ぶ機会がありました。その経験は、現在自らの企業の広報の仕方に生きていると思います。

―結婚、出産を経験し、キャリアに対する考え方は変わりましたか。

休みをきちんと取るようになりました。家庭を回していくためにも、サラリーマンの夫に合わせて土日は休むようにしています。結婚前は土日も際限なく仕事を入れていましたが、結婚後は習慣的に休みを取るようになりました。長く仕事を継続していくためにも、休みを取ることは大切だと感じています。

―学生時代はどのようなことをされていましたか。

大学時代は予備校でアルバイトをずっとしていました。教室の売り上げ向上のために、社員の業務に付随するような仕事をすることもあり、社会人力を身につける経験にもなりました。また、どのように仕事をすれば評価されるのか、についても身をもって学ぶことができたと思います。高校時代は合唱部に所属し休みなく活動していました。学生時代から忙しい日々が続いていますね。

―学生時代を振り返って、もっとこうしたらよかったと感じることはありますか。

もっと勉強しておけば良かったと感じています(笑)アルバイトばかりやっていたため、恥ずかしながら大学で法律の勉強をあまりしませんでした。大学卒業後、浪人して公務員試験を受け、就職後に行政書士の資格を取り現在に至りますが、大学在学中にもっと勉強していたら将来が変わっていたかもしれない、と思うこともあります。今勉強しようと思ってもなかなか多くの時間はありませんしね。
(本多さんと生後2か月のお子さん)

「こうしたい」と思った選択を

―今の学生に伝えたいことはありますか。

周りと同じレールに乗らなくても良い、ということです。大手企業に就職しなければいけないという決まりはありません。中小企業に就職したり、海外で働いても良いのです。固定概念に囚われず、自らの考えやキャリア設計に自信を持ち、「こうしたい」と思った選択をして欲しいです。

―学生のキャリア選択の幅が狭いように感じるのですが、広がらない理由として何が考えられると思いますか。

世の中の情報が一部分しか知られていないのだと思います。学生が中小企業と出会う方法が少ないと感じますし、非常にもったいないと思うんです。就職についてより多くの情報が学生に提供され、彼らが新たに企業を知る機会が増え、行動選択の幅が広がると良いなと思います。

―就活塾を開かれていますが、そのきっかけを教えてください。

資格試験の合否待ちの時、今何かできることはないかな、と考えたことがきっかけです。塾でのアルバイト経験が生かせるのでは、と思い、塾を開くことにしました。当時、中小企業が人材の採用に困っている、という話を聞き、就活塾によって就職する側とも雇用する側の双方の課題を解決しようと考えました。

―仕事を選ぶときはどのような基準で選ぶといいのでしょうか。

ひとつは、これから先の将来で役立てられそうか否かを基準にしたら良いと思います。例えば、経理や人事など専門的なスキルが問われる仕事です。今や男女問わずですが、育児や介護の時も在宅で仕事ができるように、どこであっても求められるスキルを身に着けることが大切だと思います。勤続年数ではなく、その人自身の実力が評価される時代に変化しているため、何が好きかということだけでなく、強みにできることを身につけて自分を強化していくことが必要です。

「こういう生き方もある」と発信する

―今後どのような働き方や仕事の進め方をしたいと考えていますか。

これからも仕事とプライベートを充実させていきたいと考えています。自分自身の生き方を基に、「こういう生き方もある」ということを若い人に選択肢の一つとして紹介していきたいですね。50歳くらいになってから自分の好きな生き方をして発信しても、若い人との距離が遠いと思うのです。今の年齢だからこそ、様々なチャレンジして、その経験を伝えていきたいです。

あとがき

士業という分野は、今まで身近に感じることがなかなかありませんでした。しかし今回、自分の知らなかった業界についてお聞きし、自分の知っている業界や働き方は世の中のほんの一部分に過ぎないと気づきました。就活などのアクションを起こす時、大企業に限らず幅広く情報をリサーチ・キャッチする事の重要性に気付くことができました。
また、本多さんの学生時代の出来事や、出産・育児の経験等プライベートまで幅広くお聞きし、自分に合ったライフスタイル、働き方を選択したいなという思いがより一層強くなりました。というのも、取材中、本多さんが生後2か月のお子さんを抱きかかえながらお話してくださる姿を見て、本多さんのように最大限の自分で生きたい!と思ったからです。仕事とプライベートが相乗効果を生むからこそ、自分のライフスタイルのペースが掴めてくるのではないかとも感じました。
今回の取材を通して、私自身今後のGirls Universityでの活動や学生生活、就職活動において「自分らしさ」を活かしていきたいと強く感じました。そのためには「自分らしさ」が一体何なのか探る必要がありそうですね。
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