山口さんに聞いた「お金」と「働く」こと
『山口さんに聞いた「お金」と「働く」こと』では、「働く」ことや「ビジネス」についてはじめて考えたはじめたGilrsUniversityの学生たちがもった素朴な疑問を、ビジネスのプロの山口豪志さんが答えます。
「仕事・働く」ということをもっと身近に感じれるような素敵なお話ばかり。
これを読んで、社会に出る前に知っておくべきことに関心を持っていただけたら幸いです。
第3回テーマ 「“お金持ち”になるって一体どういうこと?」
今日の資本主義社会において、生きていくために欠かすことのできない「お金」。お金の有無が全てではありませんが、より豊かな暮らしをしたい!という欲求をお金が解決してくれる場面は多くあります。例えば、旅行。電車ではなく新幹線を使えばよりお金がかかりますし、飛行機を使えばもっと費用が大きくなるでしょう。しかし、費用と引き換えに、より速く・より遠くに移動する手段を得ることができます。今回は、その「お金」を稼ぐための仕組みや基礎について山口さんにお聞きしました!
“お金持ち”になるって一体どういうこと?
~人的資源と物的資源~
芸能人のキムタクを例に考えてみましょう。例では、キムタクがお金持ちだとします。
キムタクは、著名人であるということから、時給単価が良く、メディア出演料として高額の給料をもらうことができますよね。しかし、1日24時間であることから、本人が収録・出演できるメディア数は限られ、得られる給料にも限度があります。
そこで、コンサートやイベントでグッズ販売をすることで、自らが出演しなくても、売り上げから給料としてもらうことが可能になるのです。人気のあるキムタクは、グッズの売上も好調です。
このように、俳優やタレントとしてもらう出演料と、物販の売上高の2種類の収入源によって、キムタクは、高額の収入を得られるのです。
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それでは、以上の例を細かく解説します。
お金持ちになるルートは大きく2つあります。1つめは人的資源、2つめが物的資源です。
人的資源は、技術料のことです。例において、キムタク自身がメディア出演すると出演料として対価をもらえたように、「ヒト」そのものが価値資源になります。ただし、人的資源は、代替が効かないため、出演しなかったら(=その人が価値を発揮しなければ)対価をもらえない、という側面もあります。
一方で、物的資源は、不動産・金融資産を表します。こちらには、自分自身の体を動かさずに得られる収益源が当てはまります。キムタク自身がグッズを販売せずとも、アルバイトスタッフが売ったり、ネット販売でも、収入は得られますよね。
収益源はこれらの人的資源と物的資源から発生します。ですから、この2つの資源の質を高めたり、量を増やすことが、お金持ちになるためのステップなのです。
補足:仕事の対価を得るうえでの価値判断基準とは?
価値判断基準は、希少性と満足度から成り立ちます。
希少性とは、「宇多田ヒカルが歌を歌うから価値がある」というように、ある特定のスキルの高さゆえに評価されます。
満足度は、次の契約に関わります。例えば、クライアントの企業が「やって良かった」と感じるのと「ちょっと微妙…」と感じるかで、次の契約の有無が決まるでしょう。継続して収入を得られるかどうか、という面に関わるのですね。
では、 仕事ができるとは、どういうことか?については、第1回のコラム「今週の1問1答」にて掲載していますので、こちらもご参照ください。
今週の1問1答!
事業家の山口さんと女子大生のGUメンバーが一問一答形式で「働く」ことに関する疑問を解決!
■働く上で「コネ」があることは良いことなの?
「コネがある」とは、企業関係または上司と部下の関係において癒着を連想させたり、不平等なイメージを持つかもしれません。しかし、コネによって阿吽(あうん)の呼吸で働く、ということはむしろ効率が良い動き方なのです。全く知らないクライアントに仕事を依頼するよりも、やり慣れている相手の方がテンポよく仕事を進めることができますよね。ですから、コネは活用した方が有利に働く場面も多くあるのです。
■給料と労働量は等価なの?
給料は、会社の利益が出た“後”に、会社の継続(内部留保*)等を考慮して、従業員に払える分が人件費として支出されます。そのため、労働時間や成果を加味した労働量と給料が等価かどうかは厳密には定かではないかもしれません。しかし、働く人々は、会社との契約上でそのような給料支給のあり方に合意して働いています。
ただし、フリーランスや副業として、アフィリエイト*で稼ぐ場合、第3者が購入した分だけが給料として広告主から支払われます。いわゆる成果報酬という給与体系です。
*内部留保=企業が獲得した利益の内、企業外へ分配することなく、企業内に留保した部分(金融情報サイトより抜粋)
*アフィリエイト=サイトやブログに企業または個人の商材を紹介したり、広告を掲載する
■個人経営店はどのようにして儲けている?-パン屋の事例
まず、パン屋を経営する上で、初期費用がかかります。その内訳としてパン焼き機など機材が500万円、家賃(不動産)が月10万円(=年間で120万円)、原材料費が売り上げの10%かかるとします。店長は、年間300万円の給料が欲しいと考えています。
初年度の売り上げは、1500万円を達成したとしましょう。
原材料費が売り上げの10%かかるため、1500(万)×0.1=150(万)が売り上げから差し引きされます。よって、初年度は1500(万)-150(万)=1350万円儲けたことになりますね。
ここからさらに、初期費用や固定費を差し引いていきます。
500万円(設備費用としてパン焼き機)+120万円(年間の不動産費用)+300万円(店長の給料)=920万円
したがって、1350万円(初年度売上)-920(万円)=430万円が粗利益として残ることになります。
次年度からは、設備費用分の投資コストが減り、費用が小さくなるため粗利益は大きくなります。
店長は、一人でパン屋を経営するのは大変なので、バイトを雇って製造と販売を分業したり、時間を区切った出勤を試みます。それでもコンスタントに売り上げれば、給料は確保することができるのです。
このようにして、個人事業主はビジネスモデルを設計し、経営を成り立たせているのです。
オカネのホンネ(編集後記)
今回は、「“お金持ち”になるって一体どういうこと?」というテーマについてお伝えしました。(世の中お金が全てではないことを念頭に置いてお話しますが、)自分がこの先就職して給料を得るからには、効率的に稼ぎたいし、多い方が嬉しいです。お金の動きのメカニズムを知らなければ、損をしたり、泣き寝入りせざるを得ない場面に出くわすかもしれません。たくさん稼ぎたい!と思ったら、残業してがむしゃらに働くことも、上司やクライアントに迎合することも時には大切かもしれませんが、私はできれば自分も相手もすり減らすことなく収入を得たいです、、(笑)
そのためには、自分が身を置いている環境がどのような価値判断基準なのかを知り、どんなお金の出し入れがあるのかについて知っておくことが最初のステップだと思います。
世の中が資本主義社会であるからには、誰しもが人生とお金は切っても切れない関係です。「お金」についてまだ一人前の社会人でない私が書くことは、正直抵抗もありますが、でも、今だからこそ、学んでおきたい!みんなにも広めたい!とも思っています。これからも、「おかね」や「はたらく」ことの本質について深められる・関心を持てる記事を書いていきます!次回もよろしくお願いします!